糸島まごころ葬儀羅漢の竹島と申します。

先週、地元糸島のお客様を訪問した際、
田んぼの脇に咲く彼岸花を見つけました。
見つけたと言うより、目に飛びこんできたと言うべきでしょうか。

9月に入ったというのに、この日は30度をゆうに超す暑さでした。
いつも不思議に思うのですが、
この時期なると暑かろうが涼しかろうが、
必ずあざやかな花を咲かせて、お彼岸が来た事をわたしたちに知らせるのです。

お彼岸にはお墓参りをしたり、お寺様にお参りしたり、亡くなられた方のお宅へお参りしたりします。実は私も糸島市二丈に納骨堂があり、
お彼岸には必ず、お供え物を持ってお参りに行っています。

この彼岸のお参りは、特に日本的行事であり、インドや中国で行われることはありません。

今から1200年程前、諸国にあった国分寺のお坊様が、春と秋の2回、中日をはさんで前後3日間の計7日間にわたり、仏を讃えお経をあげたと伝えられています。
そのことから、お彼岸に供養することが一般の人にも広がっていったようです。

本来、“彼岸”は「到彼岸」を略した言い方で、サンスクリット語のパーラミター（波羅蜜多）を漢訳したものです。
文字どおり彼岸に到るという意味です。
煩悩に満ちた此の岸（此岸）に対して彼の岸（彼岸）という訳です。

そしてお彼岸になると必ず、崇拝するご住職
さまより教えて頂いたことが思い起こされます
「彼岸は悲願なり」と。

「彼岸にとどまってはいけない」
「仏さまは涅槃に安住せず、また此の世に戻ってきて、人のためにはたらくと聞いたことがあります」と答えた私に、
「彼岸は悲願でもある」とおっしゃたのです。

「悲願」とは、切なる願い。特に仏、菩薩がその大慈悲心から発する誓願をさします。

私も微力ながら、お葬儀に携わるなかで、ご遺族様に寄り添えることが出来ればと思います。